飛鳥アートヴィレッジ 佐藤 学 Sato Manabu

半夏生 ― 深々―

私の制作は、紙片に残る水の跡をオールオーバーに継ぎ、広げていくことから始まる。和紙の継ぎ跡は画面上の大地の稜線となって見え、水の動いた跡は森、水や空気の動きとなって見えてくる。これらの物理的な跡を消さないように、そこから見える景色を描き起こす。すると、オールオーバーの画面には、際限なく開いていく奥行きの空間が現れる。この空間と連動するように、実際の作品の形態を連動させる。和紙の風合いや水などが織りなす物理的な跡、画面上に現れた空間、さらに作品の形態が響き合う。そして、この響き合う空間に微かに浮かび上がるのは、ひとつの景色である。断片を継ぎ現れる俯瞰の景色によって、私たちの歴史を振り返り、今日の発想から過去を再構築していく先に現れるひとつの景色によって、私たちの今を前進させたい。

素材:和紙に顔料、染料、膠

 

1985 東京都足立区育ち
2015 筑波大学大学院 人間総合科学研究科博士後期課程
芸術専攻芸術学領域修了
現在 神戸芸術工科大学 アート・クラフト学科 実習助手
2010 個展「なみ、え、みち、つくばから」茨城県つくば美術館(茨城)
2011 「アート亀山」(三重)
2012 個展「地をつなぐ」伊勢現代美術館(三重)
「C-DEPOT2012 TOKYO-YOKOHAMA」スパイラル(東京)
2013 「飛鳥アートヴィレッジ」奈良県立万葉文化館(奈良)
第22回「奨学生美術展」佐藤美術館(東京)
2014 個展「軌道」コバヤシ画廊(東京)